ネタバレ注意
本記事は漫画 嘘喰いのネタバレを含みます
致命的なネタバレではないと思うのですが、ネタバレ嫌な人は嘘喰いよんできてください!
AIとの付き合い方
最近AIに関する悩みのような記事を目にすることが増えた。
コードが自分で書ける人、書けない人、立場によって感じる悩みは様々のようだ。
AIスゲーって言いながら、共通テストが終わったその日にchatGPTに解かせて「AIは得点率〇〇%でした!」とか、「AI生成したイラストで手で書いてる人に勝った」とか言ってるデリカシーの欠片もない人は悩んでないかもしれないが、基本的にAIとの付き合い方は難しいと思う。
以下はコードを書けない私が使っていてモヤモヤする理由リストだ。
理由その1 AIはすごく優秀ですごく馬鹿
基本的には何でもできるし、多少ミスしてもやり取りを続ければリカバリーできるくらいの柔軟性もあるが、あまりにもしょうもないところで馬鹿みたいなミスをする。
このレベルのミスを自分のわからない領域でやられていると、どうしたら良いのかという不安がある。
理由その2 AI利用において、経験の積み重ねのようなものがない
優秀過ぎてその場でAIと会話していたらなんだかんだ解決することが多すぎる。
Claude codeと連携するまでは新しく得た知識を復習がてら反復もしたり、新しいことを何もしないと記憶として薄れそうなので新たな技術に手を出すモチベーションにもなっていた。
AIを利用した経験は記憶に残りにくいし、その場で対症的に解決することも多いので、再現性が乏しく蓄積されない。蓄積なくともうまくいくので、なにか取り組んでないとできることが増やせない、みたいな焦りもない。
理由その3 何でもできる割に 何もしていない
優秀なので自分のやる気次第でわりと何でもできる。PC関連のわからない言葉もすぐ教えてくれるし、本当にやろうと思えば自分が思いつくような程度のことならなんでもできるんじゃないかと思う。
昔は「できそうなことから」、っていうのがひとつの手を出す基準になっていたがどれもなんか頑張ればできるんじゃないのかという感じもする。
じゃあこんなにネットにはいろんなできることを紹介してくれている記事があって、ちょっと頑張ればできるのにどうして何もしていないの??
というような感じだ。せっかく自分よりすごく優秀な部下ができたのに、部下が何ができるかすらわからない自分のマネジメント能力の低さのせいでフルスペック出せてないんじゃないのか?なんなら部下が来る前のほうが自分自身にはやる気あったんじゃないの? みたいな悩みだ。
しかもネットの世界には同じ部下を使いこなしてなんかすごそうなことをし続けている人がいたり、AIコードの内容がよくないとかダメ出しをするPCのプロもいる。素人の自分はどうしたらいいのか。こんな感じのモヤモヤを感じることがある。
だが私はそれを感じてもわりとすぐに忘れることができる。
ビンセント・ラロ
ここで、ギャンブルバトルマンガ「嘘喰い」の登場人物ビンセント・ラロを紹介したい。
この人の存在がはじめ隠されているのでネタバレなくこの人を紹介するのは難しい。もう8年前に完結した漫画なので許してほしい。未読の人には読んでほしいと思っている。
前提としてビンセント・ラロは物語のなかでもトップクラスに優秀な登場人物の一人だ。そして物語の良いところで素晴らしいギャンブル勝負を繰り広げる。
その名も「エア・ポーカー」である。作中屈指の人気勝負だと思う。
水に沈むビンセント・ラロ
— 迫稔雄, 嘘喰い 40巻より
エア・ポーカーはその名の通り、空気を賭けてバトルをする。
↑の画像は注水途中で、顎まで浸水しているが、参加者は最終的に頭まで水没する。
参加者は支給されたボンベで呼吸しながら、残りのボンベ自体をチップとして賭けてポーカー勝負を行う。チップを全て失えば当然死んでしまう。
そしてこのギャンブルのすごいところが肝心のポーカーのルールが全くわからない。普通のギャンブル漫画であればルールの解読勝負となるような気がするが、そうはならない。
なぜなら水中での思考は無料ではなく、酸素を消費するからだ。
ビンセント・ラロの独白
そろそろ決めなければならない 酸素を使い「法則」を解くかどうかを
だが私は見てきた 考えなくて良いことを考え⋯ 考えたがゆえに 自滅していった者達を— ビンセント・ラロ(迫稔雄, 嘘喰い 40巻より)
これを水中で命を賭けた勝負をしながら言えるビンセント・ラロは本当にすごい。
この言葉がかっこいいのは
- 実際にビンセント・ラロはルールを理解せずとも、酸素のBET数調整、ブラフなどできることを全力で取り組み、対戦相手をかなり追い詰めたあとの言葉であるということ
- 彼は酸素を消費さえすれば、謎につつまれたギャンブルのルールを理解することができるという自信をもっているということ
という点である。
彼は命を賭けたギャンブルのルールの謎を解こうと思えば解けるが、解かない選択をしている。
これが衝撃的で、連載当時私の心に深く残る事となった。
私もこれまで,考えなくても良いことを考え、おかしなことになった人を見てきた。自分がそうなることもある。
私は自分の理解を超えるPC系の記事を見ると彼の言葉を思い出す。
何を考えるか、考える
エア・ポーカーに挑まずとも、この言葉は参考になる。
まず私にとっては大気中でも思考は有料である。ずっとものを考えていると頭痛くなったり、眠くなったりする。
ただAIを導入した今、私はわりと大抵のことに対して時間と思考とTokenを消費すれば解決できる自信を持っている。(無理なときは分かる人に質問すればさらになんとかなる)
他にやることもいっぱいある。今は、マウスの世話とか、臨床データ集めたり、バイトとか、株の勉強とか、ドラクエ7のリメイクとかしないといけない。
あまりかっこよくないが、疑似ビンセント・ラロ状態だ。
AIによってできることがあまりに一気に多様化した今、知らないことを書いた記事など無限に出てくるだろう。
自分が見た記事の情報に対して、明確にこれには取り組まないと意識することはとても大事だと思う。全部気にしていたら気づかぬうちに消耗する。もちろん取り組みたいと思えば取り組めば良い。
ただ取り組んだ結果、すぐに自分のPCライフが快適になるとも限らない。新たな知識を得ればその運用方法に悩むことになるかもしれない。
ちなみにこのギャンブルでは法則を解いてしまっても地獄となる。
ルールを理解した対戦相手
— 迫稔雄, 嘘喰い40巻より
逃げではない
これは逃げではないと思っている。
意識して手放すということは自分の価値観、リソースに少なからず向き合う必要がある。その過程はきっと自分がむかいたい方向性を考えるきっかけになる。
自分の目指す方向性、自分がPCで何をしたいかさえわかれば、記事など読まなくともclaude codeでできることは結構ある。
自分で思いつくことには限界があるから、記事を読んで刺激を受けるわけだが。。
情報に溢れた今、大気中でも酸欠には注意したほうが良い。
「考えなくて良いことを考え⋯ 考えたがゆえに 自滅していった者達」の仲間入りしないように気をつけよう。

